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子どもの病気の豆知識

小さなお子様をお持ちのお母様は、突発的な熱や怪我など、とてもはらはらしていると思います。この「おかあさん手帖」では、そんなお子さんの健やかな健康を保つための豆知識をご紹介します。

インフルエンザ情報

インフルエンザが流行する季節がやって来ます。現在、世界保健機構(WHO)は新型インフルエンザが発生する危険性が高いと注意を促しています。

新型インフルエンザは、鳥インフルエンザが変化して発生すると考えられています。

① トリ→ヒト ② ヒト→ヒト

鳥から人へ、さらに人から人へ感染する新型に変化していきます。今回の高病原性鳥インフルエンザ(H5N1型)の人への感染は既に10カ国で265人の報告があり、うち159人が死亡しています(致死率 50%以上)。インドネシアでは77人中既に59人が死亡しています。特徴は10−20代の抵抗力のある若者が重症になっていることで、高サイトカイン血症による多臓器不全が死亡原因と考えられています。

新型インフルエンザはおよそ10−40年の間隔で発生しています。20世紀において新型インフルエンザの発生は、1918年のスペインかぜ(H1N1型)、1957年のアジアかぜ(H2N2型)、1968年の香港かぜ(H3N2型)の3回あります。1997年のソ連かぜ(H1N1型)はイタリアかぜの系統とされ、1946年のイタリアかぜは新型ウイルスではありません。1997年に香港で発生した新型インフルエンザ(H5N1型)は鳥インフルエンザが人に感染しましたが、人から人へ感染しにくかったため、幸いにも流行しませんでした。

これまでの鳥インフルエンザは弱毒性でした。しかし、今回の鳥インフルエンザは強毒性で、強毒性のため宿主の鳥さえも死んでしまいます。ワクチンを作るために鶏卵にウイルスを入れると、卵も死んでしまうほどです。世界保健機構(WHO)は強毒性の場合、鳥インフルエンザが新型インフルエンザに変化すると世界中で3億人以上が死亡すると推定しています。

各国で鳥インフルエンザウイルスを基に新ワクチンの開発・作成を始めています。日本でも製薬会社4社が協同で、ベトナムで採取された高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)から新しいワクチンを開発・臨床試験を行い、2007年に認可申請の予定です。さらに厚生労働省はインドネシアで採取された鳥インフルエンザウイルス(H5N1型)を基にして新たなワクチン開発を行うことを決定しました。最終的にベトナム・インドネシア株で各500万人分のワクチンを確保することを目指しています。

治療

ノイラミニダ−ゼ阻害剤(タミフル、リレンザ)が新型インフルエンザにも有効であると期待されています。厚生労働省は新型インフルエンザ対策として抗ウイルス剤(タミフル)の備蓄を進め、計2500万人分(国:1050万人、都道府県:1050万人、市場流通分:400万人)の確保を目標としています。国の備蓄は本年度750万人分を確保したと発表されています。

タミフルと異常行動について

厚生労働省研究班(主任研究者 横田俊平 横浜市立大学小児科教授)はタミフルと異常行動との間に関連はなかったとする調査結果を発表しています。

12都道府県の小児インフルエンザ患者 約2500人を対象に医師・患者の家族にアンケ−ト調査を実施しました。患者の約9割がタミフルを服用し、服用者の11.9%に異常行動がみられました。一方、タミフルを服用しなかった患者で異常行動があったのは10.6%で、統計学的に有意な差は認められませんでした。

しかしながら、今回のアンケ−ト調査は調査方法に問題が多すぎるため信頼できません。疫学的に正しい調査が必要と思われます。アメリカ 米食品薬品局(FDA)はタミフルと異常行動との関連性は依然として不確かであるとしながらも、タミフル投与患者での異常行動の出現を監視すべきであるとしています。いずれにせよ、インフルエンザのために熱が出てから2-3日は、お子様の行動に注意する必要があります。

おむつかぶれの基礎知識

皮膚は表皮とその下にある真皮とでできています。赤ちゃんの皮膚の厚さは、1㎜以下と思われます。表皮の一番外側にあるのが角層で、角層が外界の刺激や細菌などの侵入から皮膚を守っています。赤ちゃんの表皮・角層は本当に薄く、傷みやすいのです。
かぶれの主な原因はおしっこ、うんち、汗、オムツによる擦れ、病原体(カビ)などです。

オムツかぶれがひどいときは、市販のお尻拭きは使わずに、清浄棉やお湯で絞ったやわらかいタオル(よだれ拭きタオルなど)で汚れを押さえるように拭くか、あるいはお湯でお尻を洗ってあげると良いでしょう。
オムツかぶれがひどくなると不機嫌になり、お尻の皮膚が剥けてしまうことがあります。

おむつかぶれの基礎知識

母乳とくすり

母乳は、乳腺がおかあさんの血液中の成分を使って分泌しています。おかあさんの飲んだ薬の1〜2%が母乳に移行すると言われていますが、実際に赤ちゃんが吸収する量はごく僅かです。一般的にお薬は胃から小腸へ流れていって吸収されるため、飲んで直ぐには母乳に移行しません。授乳直後に服薬すると影響が少ないと思われます。

母乳とくすり

授乳中に飲んではいけない薬剤は、母乳中に大量に移行して赤ちゃんに副作用をおよぼす恐れのある薬剤です。

抗がん剤、免疫抑制剤、向神経薬、抗けいれん剤、ホルモン剤、抗凝固剤、放射性医薬品、一部の抗生剤
※一部の抗生剤:ニュ−キノロン系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコ−ル系

生後2ヶ月以内の赤ちゃんは肝臓・腎臓の機能が未熟なため、薬剤を分解し体外に排泄する能力が充分ではありません。このため、赤ちゃんの体内に薬が蓄積して副作用が発現することがあります。赤ちゃんが母乳を飲まなくなる、寝てばかりいる、寝なくなる、機嫌が悪く愚図る、興奮しているなどの症状が出ないか注意してください。

嘔吐や下痢になったら

下痢になると水分を口にしただけで水のような便が出るため、水分摂取を控えがちになります。しかし、水分摂取を控えると失われた水分が補給されないため脱水になることがあります。
失われた塩分(電解質)を補充するために、塩分の解けている飲料水(麦茶、お茶、イオン飲料など)を少量ずつ摂ることが重要です。
一気に飲むと胃腸が刺激されて下痢が誘発されます。
小児は水分さえしっかり摂れていれば、すぐにグッタリにはなりません。

嘔吐や下痢になったら

嘔吐がひどいときは、吐き気止めとしてドンペリドン(ナウゼリン)座薬が処方されることがあります。一時的に吐き気を抑えてくれます。吐き気があると子どもは水分を摂ろうとしませんので、上手に使う必要があります。
ナウゼリンは脳に働いて、まれに副作用として錐体外路症状:手足のふるえ、体のつっぱり・こわばり、ひきつけ、眼が正面を向かず上ばかりを向くなどの症状が出ることがありますので、処方指示を守ってください。

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